首こりやストレートネックは首を触っても治らない


首を触っても首こりは治らない

首こりやストレートネックで悩む人は多いのに、首をいくら揉んでも戻ってしまう。そんな経験、ありませんか。僕も同じでした。コロナのあと、呼吸が浅くなり、斜角筋や胸鎖乳突筋、鎖骨窩を必死に触っても、数時間でまた固まる。やっている最中は少し楽でも、根っこが残っている感じが拭えない。

変わったのは、大胸筋・小胸筋の付着部、いわゆる「前の水かき」を呼吸に合わせて開いた時。胸の前面がふっとほどけた瞬間、首の突っ張りがスッと抜け、ストレートネック特有の前引きも弱まった。何より、呼吸が深くなった。首では緩まないのに、胸を整えると首が勝手に緩む。この逆説が、僕には一番しっくり来る。

大胸筋と小胸筋は胸郭の前面を前下方へ引き込み、肋骨の動きを止めやすい。胸が閉じると、吸気のために斜角筋や胸鎖乳突筋が代償的に働き続け、首は常時オンの状態になる。だから首だけを緩めても、胸が固いままならすぐ巻き戻る。胸を開放して呼吸リズムが戻ると、代償のスイッチが切れて首は自然に静まる。

野口整体では「首の症状は他で治せ」と言われてきた。首は神経と血管の要衝で、直接いじると防御反応が出やすいからだ。首の不調は結果、原因は別の場所にあることが多い。胸(大胸筋・小胸筋)、腕の付着部、骨盤、足首。ここを整えると、首は“ついでに”解ける。僕の臨床でも、自分の体でも、その方が再現性が高い。コロナ後のからだに起きがちなこと

コロナ後は胸郭の可動が落ちやすく、咳や倦怠感、不安で呼吸がさらに浅くなる。結果として斜角筋や胸鎖乳突筋が過稼働し、首まわりが固まりやすい。僕自身、首に粘着するよりも「前の水かき」を小さく開放する方が、呼吸と首の両方に効いた。首をターゲットにせず、呼吸の通り道を開ける。これが回復の近道だった。

  • 前の水かき(大胸筋・小胸筋付着部):強く引き剥がさず、呼吸に合わせて外へ“開く”。痛点を追うより、弾力を取り戻す感覚。
  • 胸郭の弾力づくり:みぞおちを固めない。胸骨周囲をやさしく温め、吸気で胸が前に滑る感覚を待つ。
  • 腕の連動:上腕を前後に小さく揺らし、胸との境目を曖昧にする。肩をすくめない。
  • 首は“結果”を確認するだけ:可動と呼吸の変化を観察。必要以上の直操作はしない。

よくある質問への答え

Q. 首こりが強い日に、首を直接ほぐすのはダメ?
A. 一時的な楽はある。ただし戻りが早い。胸が開いてから首に触れると、少ない刺激で持ちも良くなる。

Q. ストレートネックは姿勢だけの問題?
A. 姿勢は“結果”。胸の硬さと呼吸の浅さが続けば、首は前に逃げる。呼吸が戻ると、姿勢は勝手に修正される。

Q. 斜角筋が主犯では?
A. 斜角筋は被害者であり代償運動の中心。胸が整うと、斜角筋は出番を終え、自然に静まる。

桑谷整体のスタンス

首こりやストレートネックを「首の問題」とは見ない。最初に胸と腕の境界を整える。次に呼吸を深める。その上で必要最小限だけ首を確認する。症状を追い回さず、からだの流れを整える。結果として首が軽くなる。この順番が、僕の臨床でいちばん確かだった。

首がつらいと、つい首を責めたくなる。けれど多くの場合、首は結果であり、原因は胸の前面にある。大胸筋・小胸筋(前の水かき)をやさしく開き、呼吸の通り道を回復させる。すると、首は勝手に静まる。遠回りに見えて、これが最短ルートだと僕は思う。

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