『べし、べからず』を作るまじ

ふと、自分の施術の手順が固定されてきて「これ、ただの作業になってないか?」という瞬間がある。

 

人間というのは、日課で毎日の行いを繰り返してしまいやすい。

足湯にしかり、お酒、甘いもの。整体の操法に至ってもそうだ。

 

整体の世界では、「べし、べからずを作らないように」と教わる。

『べし、べからず』を減らすことで、見えてくるものがある。

 

考えなしに日課を続けていると、本質が見えなくなる。

なぜこれをやっているのだろうか?と一度立ち止まると、それが必要なのか不要なのかが見えてくる。

施術中のこの動きは意味があるのか。

別の動きでもいいのではないか。

そうやって試行錯誤し始めると、一度とんでもなく下手くそになる瞬間がある。

正直、絶望する。

一度“自分の型”が壊れるから、その人の身体が入ってくる。

それを越えると、身体が自動運転になる。

頭で考えるのではなく、その方のお身体に合わせた動きが自然と出てくる。

だから、一度動きを考え出すと、下手になる。

下手になるのは進化の前兆だ。

 

武術系のYouTubeを見る機会が多いが、熟練者でも技を教わった直後は下手になる。

けれど自然と身についた後は、平常以上の動きになるようだ。

 

整体も同じだ。

「整体とはこうあるべし、こうあるべからず」を減らすと、進化が起きる。

人間も同じで、『人とはこうあるべし、べからず』を減らすと、縛りが消えて本質が見えてくる。

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