「先生はワンちゃんはみることができる?」
『生きてて背骨があれば大丈夫だと思います』
安易に返答するものではない。
大丈夫と高を括ったが、ちゃんとワンちゃんを連れていらっしゃった。
天才施術家、野口晴哉も競走馬を治して、人間をみた時にはもらった事がないぐらいの金額をいただいたことがあると言う話がある。
その当時、まだ車が珍しかった時に、ベントレーが買えるぐらいと言うので、大変な額である。
人間は馬よりも安いのか…と苦言を表していたとか。
ともかく、症状としては、歩行時に足を引きずってしまう。
何かしらかの薬を飲んでいるようで、腰が悪いのではないか?と心配しておらたが、ワンちゃんの身体を観ると、胸椎10番の異常。
人間で言うと、腎臓の疲れだ。
問診票を書いていただくわけにはいかないので、ワンちゃんの動きを観察する事で見えてくる。
歩き方の癖、体重の乗せ方、立ち上がりの瞬間、転びそうな時にどこから動きが出るか。
そういうところを丁寧に見ていくと、気になる“引っかかり”が見えてくる。
実際に触ってみると、胸椎10番の異常から腰椎3番を通り、足に不調を起こしている。
足も腎臓ラインの弛緩があり、硬結と呼ばれる塊があるので確定だ。
その異常を起こしている関連を処理すれば、改善するのではないか?と言う判断をし、生活をする上での改善点をお伝えし、お帰りいただいた。
ワンちゃんに「気をつけてね」と言うわけにはいかない。
結局、飼い主さんの生活が関わってくる。むしろ、そこが本丸だ。
ものを言わぬ相手をみられないなら、整体師はやめた方がいい。
そう言われる世界だが、今回はそれを発揮する場面になった。
料金をいただくことを念頭に入れてなかったので、お帰りの際に押し問答があったが、念の為、料金設定をしておいても良いのかもしれない。