風邪をひく、というのは、ただ悪いものにやられた、というだけではないのかもしれない。
自分は前に、これは身体が止めにきているのだな、と思うようなしんどさが出たことがある。
今から思えば、その前に無理をしすぎていた。
やることが多い。
気も張る。
休まず動く。
そういうことを続けていたら、身体の方が先に限界を知らせてきた。
昔から、風邪には効用があるという見方がある。
もちろん、風邪はしんどい。
熱が出る。
身体が重い。
寝込む。
できれば避けたいし、軽く済んでほしい。
ただ、身体の側からすると、今の無理を止める。
溜め込んだものを出す。
回復に切り替える。
そういう働きとして風邪をひくことがあるのではないかと思う。
だから、自分は風邪をただ悪者として消したいとはあまり思わない。
もちろん、つらい時は休むしかない。
しんどい時は無理をしない。
それは大前提である。
ただ、そこで薬で黙らせて、そのまま元の無理に戻るだけでは、身体が何のために止めたのかがわからないままになることがある。
身体が止まりたがっているなら、ちゃんと止まる。
熱がこもっているなら、出してやる。
休みたがっているなら、休ませる。
そういう受け取り方の方が、その後の戻りは早いことがある。
自分としては、こういう時に足湯をして体温を上げたり、盆の窪や目に蒸しタオルを当てたりするのが合っている。
くすぶっていた熱が少し表へ出る。
頭がゆるむ。
目の奥がゆるむ。
そうすると、身体が回復の方へ切り替わりやすい感じがある。
風邪というのは、壊れる前に一回止めるための働きとして出てくることがあるのだと思う。
だから、しんどくなった時、それをただ邪魔者として消すだけでは少し足りない。
今の無理を知らせてくれているのかもしれない。
これ以上行くと壊れるぞ、と言ってくれているのかもしれない。
そう思って受け取る方が、身体に対しては正直な気がする。
整体的に見ると、風邪というのは、ただ悪いものではなく、身体が立て直そうとする動きとして出てくることがある。
止めるべき時に止まる。
休むべき時に休む。
出すべきものを出す。
それを無視しないことの方が、案外大事なのだと思っている。