僕の好きな映画の一つに『マイ・インターン』がある。
アン・ハサウェイが演じる若き社長ジュールズと、ロバート・デ・ニーロ演じる70歳のシニアインターン、ベンとの物語だ。
シニアインターンというと難しく聞こえるけど、わかりやすく言えば、年配のお手伝いさんのような立場である。
でも、ベンはただのお手伝いさんではない。
元々は大企業の副社長まで務めた、経験豊富な人物だ。
『プラダを着た悪魔』と並んで、何度も観返している映画である。
この映画を観るたびに思う。
『なんでベンを経営陣に入れないんだろう』
経験も知識もある。
普通なら、COOや顧問にした方が会社のためになりそうだし、見栄えもいい。
でも、映画はそうしない。
ベンは、自分の経験で会社を思い通りに動かそうとはしない。
社長のジュールズを、自分の考えで変えようともしない。
ただ隣にいて、必要な時だけ手を貸す。
最後は、本人が決めるように促す。
だから、この映画は好きなんだ。
整体も同じなのかもしれない。
身体を変えるのは整体師ではない。
身体は、自分で整う力を持っている。
整体師は、その邪魔をしないように少し手を添えるだけだ。
経営も似ている。
経営者は『もっと成果を出そう』『もっと仕組みを作ろう』と、何かを足そうとする。
もちろん、それも必要だ。
合理化すれば、仕事は速くなる。
でも、速くなることと、丈夫になることは別だ。
木材もそうらしい。
今は窯で短期間に乾燥させる方法があり、品質も安定し、施工もしやすい。
それは優れた技術だと思う。
でも、神輿のように何十年も使われ、粘り強さが求められるものには、時間をかけて乾燥させた木を選ぶ職人もいるという。
時間には、効率では測れない働きがある。
人も同じなんじゃないだろうか。
整体も、経営も、人間関係も。
人が育つ時間まで合理化してしまうと、何か大切なものまで削ってしまう気がする。
大切なのは、何を加えるかではなく、何を邪魔しないか。
『何かになろう』とするより、『そこにいる』こと。
『早く進むこと』より、『丈夫であること』。
『マイ・インターン』を観るたびに、そんなことを思う。
関連ページ
桑谷整体がどのように身体を観ているのかは、こちらも参考にしてみてください。
- 初めて桑谷整体へ来られる方へ
- 院長紹介
- 症状だけを見ない、人を観る
- 何もしないということ