今日来られた方が、以前ほかの整体でこんなことを言われたらしい。
「あなたの腰痛は、小麦が原因ですよ」
それを聞いてその方は、
「じゃあ香川の人はみんな腰痛か?」
と思ったそうだ。
まったくその通りである。
整体をしていると、
「何が原因ですか?」
と聞かれることがとても多い。
当然だと思う。
痛い理由が分からないのは気持ちが悪いし、原因が分かれば何とかできそうな気もする。
ただ僕は、本当に分かるまでは、なるべく原因を言わないようにしている。
腰が痛い。
骨盤が関係しているかもしれない。
身体の使い方かもしれない。
疲労かもしれない。
仕事かもしれない。
食事が関係していることもあるかもしれない。
いくらでも話は作れる。
もちろん、小麦を抜いてみるのも一つの方法だと思う。
グルテンフリーを試して身体がどう変わるのかを見る。
それで明らかに調子が良くなるなら、その人には何か関係があるのかもしれない。
試すこと自体は悪くない。
ただ、
「小麦が原因だ」
と最初から決めてしまうのは別の話だ。
一度ラベリングしてしまうと、その後はそうとしか見えなくなることがある。
小麦が原因だと思えば、小麦を食べたことばかり気になる。
発達障害というラベルを先に置けば、その人の行動が何でもそこに結びついて見えることもある。
体癖でも同じだと思う。
「この人は〇種だからこうだ」
と最初に決めてしまえば、目の前の身体を観ているようで、自分の知っている型に当てはめているだけになる。
知識は必要だ。
ただ、知識が増えたせいで観えなくなるものもある。
ラベルは整理するには便利だが、観察するには邪魔になることもある。
僕は原因を当てることよりも、何をすると変わるのかを見ていたい。
どこを整えると変化するのか。
次に来た時にどうなっているのか。
それを繰り返しているうちに、
「ああ、ここだったのか」
と後から分かることもある。
分からないものを、分かったことにしない。
整体師としては、そのくらいでちょうどいいと思っている。
少なくとも、小麦を食べるだけで腰痛になるなら、香川県はもう少し大変なことになっている。