体癖6種というのは前後型で、呼吸器に特徴が出やすいタイプだ。
アニメや漫画でいうと、碇シンジ、メーテル、カイジ。そして『ヤニねこ』も、僕には6種的に見える。
胸が薄く、肩が前へ巻きやすい。何をするにも少し息苦しそうで、どことなく暗さや儚さがある。
カリスマ性があるというか、ガラス細工のような危うさ、と言ってもいいのかもしれない。
反対に、テレビなどで拝見するサバンナ八木さん、松岡修造さん、オードリー春日さんのような、鳩胸で『元気の押し売り』のように見える人は、5種的だと考えると分かりやすい。
5種は、目の前にある現実をどんどん動かしていく。
6種は、その現実から少し後ろへ下がる。
6種は頭の中では色々と考えている。
理想もあるし、内側には意外なほど熱いものを持っている。
ただ、それを現実の中へ下ろして形にしようとすると、急に身体が重くなる。
くたびれるほど、理想だけが現実から遠くへ行く。
だから6種は、明るく健康的で、真っすぐなものよりも、少し暗く、危うく、現実から浮いたものに惹かれやすい。
夜や酒、タバコ。報われそうにない恋愛や、退廃的な音楽や物語。
それらによって身体を強くするというより、息苦しい現実との距離を少し変えているのだと思う。
『ヤニねこ』は、とにかくタバコばかり吸っている。
タバコが何よりも優先され、ヤニ臭い部屋は散らかったまま。怠惰に暮らし、部屋を片づける気配もない。
片づけた方がいいことは、本人も分かっているのだろう。
分かってはいるが、片づけることに身体が乗らない。
一本吸うことには、すぐ乗る。
タバコを取り出す。
火をつけ、煙を吸って、ゆっくり吐く。
その間だけ、何も起こらない日常が、少し違った時間になる。
酒やタバコは、現実そのものを変えてはくれない。
部屋も片づかないし、お金も増えない。
それでも、現実の見え方は少し変わる。
6種は身体に悪いものが好きだ、と言われることがある。
ただ、悪いものそのものが好きなのではない。
健康で明るく、正しく整えられた世界に、少し息苦しさを感じるのだと思う。
正しい時間に起き、真面目に働き、身体に良いものを食べる。
部屋を片づけ、将来のために貯金する。
どれも正しい。
正しいからこそ、そこに自分の身体がうまく乗らない。
ヤニねこは、自分を元気にしたくてタバコを吸っているわけではない。
ただ、このまま現実に触れ続けていると、少し息が詰まる。
だから一本吸う。
部屋は片づかない。
お金も増えない。
身体にも良くない。
それでも、煙を吐いている間だけは、現実から少し離れていられる。
ヤニねこにとってタバコは、身体を起こす火ではない。
息苦しい現実と、自分との間に置く煙幕なのだと思う。