闘争と逃走

身体を引き締め、骨盤を閉める時、僕は交感神経の働きをかなり意識する。

解剖学的には、交感神経の節前ニューロンは胸髄から上部腰髄、だいたいT1〜L2あたりにある。
胸椎1番から腰椎2番の骨そのものから、交感神経が生えているわけではない。

ただ整体では、胸椎やその横突起周辺を、交感神経系との関係を観る上で重要な場所として扱う。

横突起を調整し、その周囲の筋肉や身体の緊張を変えていくことで、僕はその部分と関係する内臓や身体の働きまで観ている。

だから、

『ここを押せば交感神経のスイッチが入る』

というほど単純なものではない。

 

年頃の女の子の姿勢を調整することがある。

骨盤を閉め、身体を引き締める。

施術ではそこまで持っていけても、生活そのものに締まりがなければ、また身体も緩んでくる。

「自分ではどんな体操をしたらいいですか?」

の返答には、

『緊張感を持って生活してください』

だ。

惰眠。
慎みのない食事。
散らかしっぱなしの部屋。

身体だけ締めようとしても、生活が緩みきっていては難しい。

 

交感神経は『闘争と逃走』だとよく言われる。

戦う。
逃げる。

どちらにしても、身体は締まる。

 

昔から、

『9種は金を持つと駄目になる』

と言われる。

仰る通りだと思う。

9種は、命懸けの生活をする努力をしないといけない。

 

以前、店舗を立ち上げたばかりの頃は、お金も時間も患者さんも少なかった。

実質、命懸けの生活だった。

院もよく、

「神社かお寺みたいですね」

と揶揄されていた。

今思えば、身体も生活もキンキンに締めすぎていたのかもしれない。

よくスタッフもついてきたものだと思う。

それが良かったのかどうかは分からない。

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