痩せたければ右足を骨折すればいい。
もちろん、本気でそんなことを勧めているわけではない。
二十代の頃に、私は右足を開放骨折した。
ずいぶん昔のことなのだが、それから15キロほど痩せて、今の体型になった。
今でも右足にはチタンの棒が埋め込まれている。
右足だけ、ターミネーターのT-800のような骨格だ。
それ以降、太らない体になった。
と言うより、太れない体になったという方が正確かもしれない。
食べても、以前のようには身体に厚みが出ない。
右足の怪我をきっかけに、身体の働き方そのものが変わった感覚がある。
整体的に観ると、左の骨盤に異常が出ると身体は溜め込みやすくなる。
逆に右の骨盤に働きが出ると、排泄が進みやすくなると観ることがある。
太る、痩せるという話は、単純に食べた量や運動量だけでは見きれない。
どちらの骨盤に偏りが出ているのか。
身体が溜め込もうとしているのか。
それとも抜けすぎているのか。
そういうところにも、その人の体型は出てくる。
今は、糖尿病の治療薬をダイエット目的で使う話も耳にする。
必要な医療や薬を否定するつもりはない。
糖尿病や肥満症の治療として、医師の管理のもとで必要な方が使うことまで否定する話ではない。
ただ、身体の働きを観ずに、体重の数字だけを落とそうとする流れには違和感がある。
食欲を抑え、数字を落とし、見た目だけを細くする。
それで本当に身体が整ったと言えるのか。
私は、そこに少し引っかかる。
数字だけが落ちた身体と、骨盤や呼吸や排泄の働きが変わって締まった身体は違う。
内側から締まってきた身体には、その人の力がある。
ただ細いだけでは出ないものがある。
うちにいらしている方でも、左の骨盤が大きく開いている方がおられる。
そういう方の骨盤をしっかり締めていくと、その場で分かるくらいズボンに余裕が出ることがある。
最近はパンツというのかもしれない。
まあ、どちらでも良い。
骨盤が締まると、下半身だけが変わるわけではない。
頭の締まり方も変わる。
顎のラインにも変化が出ることがある。
ある方は「フェイスラインも引き締まった!」と言われていた。
女性には、とても重要なことなのだろう。
確かに、骨盤が締まれば頭も締まり、顎のラインもはっきりしやすい。
開いている度合いが大きければ大きいほど、その変化は分かりやすく出る。
身体は、部分だけで変わっているわけではない。
骨盤が締まれば、頭も締まる。
排泄の働きが変われば、身体の輪郭も変わる。
呼吸が変われば、身体の内側に余白が出る。
体型とは、ただ脂肪があるかないかではない。
身体の働き方の結果として、今の形が出ている。
仲を良くさせて頂いている、筋トレをしている御仁がいる。
その方が「もうちょっと体脂肪が減るといいけどな」と言われた。
そこで私は『右足を骨折するといいですよ』とお伝えしておいた。
もちろん冗談である。
骨折などしない方がいいに決まっている。
右足にチタンを埋めてまで痩せる必要はない。
そんなダイエットがあってたまるか。
ただ、私の右足の骨折は、身体の偏りが体型を作るということを嫌でも教えてくれた。
右に抜ける身体。
左に溜め込む身体。
痩せるか、太るかではない。
どちらへ偏り、何を作っているのか。
そこを観たい。