先日、プロの方に施術風景と院内の撮影をしていただいた。
施術のモデルさんにも来ていただいたので、至れり尽くせりである。
撮影の前に、モデルさんのポートレートを撮る時間があった。
その立ち姿を見ていて、少し気になることがあった。
いつもながら、余計なことを言わなくてもいいのではないかとも思った。
ただ、立つことそのものが仕事になっている人だ。カメラの前に立った瞬間の姿を見ても、やはりプロだなと思った。
だからこそ、少し口を挟ませてもらった。
気になったのは、左足の親指だった。
左の親指の力が少し抜けていて、足の内側をうまく使えていないように見えた。
『鼻緒をつかむように、左の親指を少し使ってみてください。』
そう伝えると、左の肩が自然に開いてきた。
胸を張ったわけでも、肩を後ろへ引いたわけでもない。
それでも、立ち姿が無理なく整って見える。
その時、昔からある『小股の切れ上がったいい女』という言葉を思い出した。
この「小股」がどこを指すのかにはいろいろな説があるらしい。
整体では、足の親指や足首の締まりとして観ることがある。
親指が働き、足元が締まる。
すると、その上にある骨盤や肩の使い方まで変わってくる。
今回も、左の親指を少し使っただけなのに、変わったのは左の肩だった。
身体は、本人が思っているほど場所ごとに分かれて働いてはいない。
姿勢を良くしようとすると、つい胸を張ったり、肩を引いたり、背筋を伸ばしたりしたくなる。
でも、そうやって作った姿勢はどこか硬い。
必要なところが働けば、余計なところの力は抜けてくる。
無理に姿勢を作らなくても、身体は自然に立ちやすくなる。
小股が切れ上がると、いい女になる。
昔の人がどこまで身体を観てこの言葉を使っていたのかは分からない。
ただ、モデルさんの立ち姿を見ながら、妙に納得してしまった。
美しさというのは、力を入れて作るものばかりではない。
必要なところは働いている。でも、余計なところには力が入っていない。
脱力ができているからこその美しさがある。