整体的に観る『ドカ食いダイスキ!もちづきさん』

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時事ネタはまったく知らないことで有名な私だが、ネットで話題の『ドカ食いダイスキ!もちづきさん』について書いてみようと思う。

ちなみに、ワールドカップをしていることも患者さんから聞いて初めて知った。

「今、日本ではみんなが大熱狂ですよ!?」と言われた。

 

以前のオリンピックの時もそうだった。

「今オリンピックがしているらしいな!」と妻に聞くと、「今日閉会式だよ〜」と返ってきた。

今の日本の首相は誰か知っているかと聞かれ、「バカにするな。石破さんだろう」と答えたら、「今は高市さんだよ?」と言われる始末である。

 

新紙幣に変わったことも知らなかった。

患者さんから「さすがに新紙幣に変わったのはご存知ですよね?」と聞かれ、実際に変わった紙幣を出されて驚いたほどだ。

世間というものは、私の知らないところで勝手に進んでいるらしい。

 

そんな私でも、『ドカ食いダイスキ!もちづきさん』は目に入った。

それだけ話題になっているということなのだろう。

そして、整体的に観ると、これがなかなか面白い。

単なる大食い漫画では終わらない。

 

最初に見えるのは、3種的な食欲だと思う。

美味しいもので満たす。

食べることで気分を変える。

快楽によって身体を切り替える。

 

3種的な身体は、快・不快に素直だ。

おいしいものを食べると緩む。

嫌なことがあっても、食べることで少し変わる。

腹が満たされることで、気分や身体の状態が変わる。

 

もちづきさんのドカ食いには、この3種的な快楽が強く見える。

ただお腹が空いたから食べるのではない。

食べることで、自分の状態を変えている。

そこがまず面白い。

 

ただ、もちづきさんはそれだけでは終わらない。

食べたいというより、そこへ向かっていく。

身体が危ないと分かっていても、止まれない。

満たされたいというより、そこから離れられないように見える。

 

そこには、ねじれの限界突破と、9種的な執着が混ざって見える。

どこまでいけるのか。

どこまで身体を押せるのか。

危ないと分かっていても、引き返せない。

その一点に、身体ごと持っていかれているように見える。

 

3種の快楽だけなら、もっと軽い。

「おいしいものが好き」で済む。

でも、もちづきさんは食べることで『至る』。

その感じは、ただの食欲ではない。

 

だから、あの漫画は笑えるのに少し怖い。

美味しそうに食べているはずなのに、どこかで身体が壊れていく気配がある。

食べることで満たされているようで、食べるほど底が見えなくなっていく。

『グルメホラー』と言われる所以は、そこにあるのだと思う。

 

もちろん、漫画の登場人物を体癖で決めつけたいわけではない。

ただ、整体的に観るなら、食べるという行為の中に身体の癖や欲求が濃く出ているように感じる。

食べることは、ただ胃を満たすだけではない。

気分を変え、緊張をほどき、行き場のないものを一時的に処理することがある。

 

これは、漫画の中だけの話ではない。

施術をしていても、食べすぎてしまう方はおられる。

その時に「食べすぎないようにしてください」と言うだけなら、誰でもできる。

そんなもの、できればとうにやっている。

 

見るべきなのは、なぜその方が食べすぎてしまうのかだ。

仕事のストレスを抜くためなのか。

固まった身体を緩めるためなのか。

満たされないものや、発散できないものを、食べることで処理しているのか。

同じ食べすぎでも、奥にあるものは人によって違う。

 

食べることで、身体が一瞬ゆるむことがある。

張りつめていたものが抜けたように感じる。

頭で考え続けていたことが、満腹によって少し遠くなる。

だから、食べすぎは単なる意志の弱さではない。

 

身体がそれを必要としていることがある。

ただ、その方法でしか緩めなくなると、身体はだんだん重くなる。

満たしたはずなのに、また足りなくなる。

緩めたはずなのに、また詰まる。

 

その繰り返しの中で、食べることはただの食事ではなくなっていく。

食べることで身体を変えようとしている。

食べることで、どこかへ行こうとしている。

そこに、人間の身体の面白さと怖さがある。

 

『ドカ食いダイスキ!もちづきさん』が刺さるのは、ただ異常な量を食べるからではないと思う。

誰の中にも、少しだけもちづきさんがいるからではないか。

疲れた時に食べる。

むしゃくしゃして食べる。

空腹ではないのに、何かを満たしたくて食べる。

 

それを極端に描いているから笑える。

でも、極端だからこそ、自分の身体のどこかにあるものも見えてしまう。

だから、ただのギャグとして笑いきれない怖さがある。

 

整体的に観ると、ドカ食いはただの食欲ではない。

身体が緩みたい。

発散したい。

満たされたい。

どこかへ到達したい。

そういう欲求が、食べるという形で出ていることがある。

 

食べることは、本来は生きるためのものだ。

でも、満たすために食べているはずのものが、いつの間にか身体を追い込んでいくことがある。

そこに、人間の身体の怖さと面白さがある。

 

『ドカ食いダイスキ!もちづきさん』は、ただの大食い漫画ではない。

整体的に観ると、食べることで身体を変えようとする人の話にも見える。

3種の快楽に、ねじれの限界突破、そして9種的な執着が混ざると、食べることはただの食事ではなくなる。

満たすために食べているはずなのに、食べるほど底が見えなくなる。

そこが笑えるし、少し怖い。

そして、だからこそ面白い。

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