首こりやストレートネックで悩む人は多い。
首がつらいのだから、首を揉む。
首が前に出ているのだから、首を戻そうとする。
一見それで良さそうに見える。
ただ、それで本当に変わるなら、首こりで困る人はこんなに多くない。
僕自身も、首で苦労したことがある。
コロナのあと、呼吸が浅くなり、首の前側がひどく固まった。
斜角筋、胸鎖乳突筋、鎖骨窩。
いろいろ触った。
その時は少し楽になる。
けれど、数時間するとまた固まる。
首をいくら触っても、根っこが残っている感じがあった。
そこで変わったのが、胸の前だった。
大胸筋と小胸筋の付着部。
いわゆる前の水かきのあたりである。
ここを呼吸に合わせて、強く引き剥がすのではなく、小さく開くように触れた。
すると、胸の前がふっとほどけた。
その瞬間、首の突っ張りが抜けた。
呼吸も深くなった。
首ではゆるまないのに、胸を整えると首が勝手にゆるむ。
変な話に聞こえるかもしれないが、身体はだいたいそういうものだ。
首は、首だけで固まっているわけではない
胸の前が固くなると、肋骨が動きにくくなる。
肋骨が動かなければ、呼吸は浅くなる。
呼吸が浅いままでは、首の前側が余計に働く。
その結果として、斜角筋や胸鎖乳突筋が固まりやすい。
つまり、首が悪いというより、首が代わりに頑張らされていることがある。
首だけをゆるめても、胸の前が固いままなら、また首が頑張る。
そして、また固まる。
とても律儀である。ありがたくはない。
だから、首こりやストレートネックを見る時に、首だけ追いかけるのは少し浅い。
胸がどうなっているか。
呼吸が入っているか。
腕の付け根が固まっていないか。
そこまで見た方が分かりやすい。
前の水かきを見る
大胸筋や小胸筋の付着部は、胸と腕の境目にある。
ここが固い人は、肩が前に入りやすい。
腕も前へ出にくい。
胸郭も動きにくい。
その結果、首が前へ引かれやすくなる。
だから、ここを整える時は、力でこじ開けない。
強く押す。
無理に伸ばす。
引き剥がす。
そういうことをすると、身体は守りに入る。
呼吸に合わせて、小さく開く。
胸と腕の境目がほどけるのを待つ。
それで十分なことがある。
身体は、乱暴に扱うと余計に面倒になる。
人間関係と同じである。ほんと厄介だ。
首は結果として見る
首がつらいと、どうしても首を触りたくなる。
ただ、首は神経や血管も多く、直接いじると防御が出やすい場所でもある。
野口整体でも、首の症状は首だけで追わない見方がある。
胸を整える。
腕の付け根をゆるめる。
呼吸が入る。
その結果として、首がどう変わるかを見る。
この順番の方が、身体には合いやすい。
首は原因というより、結果として固まっていることが多い。
だから、首を責めすぎない方がいい。
首も好きで固まっているわけではない。
だいたい、どこかの尻ぬぐいをさせられている。
桑谷整体では、首だけを見ない
桑谷整体では、首こりやストレートネックを見る時、首だけを揉んで終わりにはしない。
胸の前。
腕の付け根。
背中。
呼吸。
骨盤。
そういう全体の流れを見ていく。
首がつらい時ほど、首以外に原因があることがある。
大胸筋や小胸筋のあたりがほどけるだけで、首の感じが変わる人もいる。
呼吸が入れば、首は静まりやすい。
胸が動けば、首の負担は減りやすい。
首がつらいなら、首だけを見るな。
これはかなり大事だと思っている。
遠回りに見えるけれど、胸から見た方が早いことは普通にある。