肩甲骨の効能

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今回はメンマ……もとい肩甲骨の効果について説明しようと思う。

前回、肩甲骨剥がしはメンマだと書いた。

だからといって肩甲骨がどうでもいいという話ではない。

メンマは大事だ。

肩甲骨も大事だ。

ただ、それだけで身体全体を語るのは違うという話だった。

 

肩甲骨は肩こりや猫背を解消するためだけについているわけではない。

肩甲骨に動きがつくことで身体にはさまざまな変化が出てくる。

首や肩が楽になることもある。

腕が動かしやすくなることもある。

呼吸が入りやすくなることもある。

けれどそれだけではない。

肩甲骨は身体全体のまとまりにも関係している。

 

肩甲骨とつながりが深い場所として骨盤と後頭骨がある。

肩甲骨左右、骨盤左右、そして後頭部の左右。

この六つの板のような動きがまとまることで身体のバランスが取れていく。

そう言っても大きく外れてはいないと思う。

 

もちろん肩甲骨だけですべてが変わるという話ではない。

身体はそんなに単純ではない。

ただ骨盤を締めようと思った時、肩甲骨の動きは無視できない。

骨盤だけを見て骨盤だけを動かそうとしても、なかなか締まりが出ないことがある。

そういう時、肩甲骨に動きをつけるだけで骨盤の働きが変わることがある。

場合によっては骨盤を直接調整しなくても済むことがある。

 

肩甲骨は体の引き締まりとも関係が深い。

身体が引き締まると、ただ姿勢が良く見えるだけでは終わらない。

身体の中にまとまりが出る。

余分に散っていた力が中心へ集まりやすくなる。

その結果として集中しやすくなったり、握る力に変化が出たりすることがある。

 

ご存知の方もおられるが、私の握力は22〜24kgしかない。

成人男性としてはかなり弱い方だと思う。

それでも施術が力強く感じられることがあるのは、握力そのものではなく武術的な身体操作によるものだと思っている。

合気道の身体の使い方に少し近いのかもしれない。

手だけで押すのではなく、背中や骨盤も含めて身体全体で触れる。

だから握力の数字だけでは施術の力は測れない。

 

また施術が強く感じられる時は、受ける側の身体がまだ過敏に反応している時期でもある。

ずいぶん良くなってきた頃に「最近、施術が痛くなくなった」「力を弱めたんですか?」と言われることがある。

けれどこちらとしては大きく変えていないことも多い。

むしろ身体の受け取り方が変わってきたのだと思う。

普通の強さを普通に受け取れる身体になってきた。

そういうこともある。

 

話が少しずれた。

そんな私でも自分で肩甲骨の調整を行うと、握力が40kgほどまで上がったことがある。

これは自分でも驚いた。

手だけで握っているつもりでも、実際には手だけで握っているわけではない。

肩甲骨が背中に収まることで、背中から腕へ力が通りやすくなる。

その結果として握る力にも変化が出る。

肩甲骨にはそれくらい身体全体へ影響する働きがある。

 

肩甲骨は肋骨の上に乗っている。

そのため肩甲骨の動きは肋骨の動きとも関係する。

肩甲骨が固まり、肋骨の動きが悪くなると呼吸も浅くなりやすい。

逆に肩甲骨に動きがつくと、肋骨にも動きが出やすくなる。

胸郭が広がり、呼吸が入りやすくなる。

 

肋骨の動きが出ると、胃への圧迫も変わることがある。

呼吸が浅く、みぞおちが詰まり、肋骨の動きが悪い時、胃のあたりも窮屈になりやすい。

肩甲骨が動き、肋骨が広がることで胃の周りにも余裕が出る。

だから肩甲骨は肩や背中だけではなく、呼吸器や胃の働きとも関係してくる。

 

呼吸器の働きがつくと、身体には外へ向かう力が出てくる。

息が入り、胸が広がり、背中が動く。

そうすると身体はじっと固まるよりも動き始めやすくなる。

肩甲骨は行動力の場所と言ってもいい。

 

だから肩甲骨はただ剥がせばいいわけではない。

肩甲骨を動かすことそのものが目的ではない。

その肩甲骨が後頭骨とどうつながっているのか。

骨盤とどう関係しているのか。

肋骨や呼吸、胃の働き、握る力、集中する身体とどうつながっているのか。

そこを観ることが大切だと思う。

 

肩甲骨は肩だけのものではない。

身体が締まり、呼吸が入り、骨盤が働き、手に力が通る。

その中心に肩甲骨がある。

だから剥がすかどうかではない。

その肩甲骨が身体の中で何をしているのか。

そこを観たい。

桑谷整体では、肩甲骨を一つの部品としてではなく身体全体の中で観ていきたい。

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