春になると、腹痛や下痢を訴える人が増える印象がある。
一般には、お腹を下すのは悪いことだと思われやすい。
もちろん、つらい下痢や長引く腹痛を軽く見ていいわけではない。
ただ、整体的に見ると、春先の下痢をただの不調として片づけない見方がある。
春は、冬のあいだに溜め込んだものを外へ出し、身体が切り替わっていく時期である。
その切り替わりの中で、腹が動き、下すことがある。
だから、春の下痢を何でも悪いものとして抑え込めばいい、というものでもない。
下すことで、かえって身体が軽くなる人もいる。
冬のあいだに取り込みすぎたものを、身体が外へ出そうとしているように見えることがある。
ただ、その最中にさらに負担をかけると、経過は重くなりやすい。
甘いもの、酒、脂っこいもの、食べ過ぎ。
身体が捨てようとしている時に、また余計なものを入れれば長引く。
排水中にまた水を流し込むようなものである。人間、なぜ詰まっているところに追加したがるのか。
こういう時に役に立つのが膝湯である。
消化器の変動には、足先だけの足湯よりも、膝までしっかり温める膝湯が合うことがある。
膝頭が浸かる深さまで湯を張り、やや熱めの湯で4分から6分ほど温める。
ぬるくならないように差し湯をしながら、温度を保つ。
上がった後に左右の赤みを見て、薄い側があれば、そちらだけ1分から2分ほど追加する。
ただ温めるだけではない。
身体の偏りを見ながら、出ようとしているものの経過を助ける手当てである。
春の腹痛や下痢は、ただ悪い症状とは限らない。
身体が中のいらないものを外へ出し、次の季節へ移ろうとしている途中で起きることがある。
だから、ただ止めることばかり考えない。
余計なものを足さず、身体が出そうとしている流れを邪魔しない。
時には、身体から栄養を少し枯らすことも大事なのだと思う。
満たすより、抜けることで整う時がある。
松江市の桑谷整体でも、春先の腹痛や下痢を見る時は、お腹だけを悪者にはしない。
季節の切り替わり、食べ過ぎ、骨盤や背骨の動き、身体が出せる状態かどうかまで含めて整体で見ていく。
春の身体は、出しながら変わる。
そこを見落とさないことが大事だと思っている。