症状だけを見ない、人を観る

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右肩のこりで来られた方がいた。

右肩そのものも悪かった。
触れてみても、右肩には確かに負担が出ている。

ただ、見ていて思った。

本質は右肩ではない。

 

症状を見ない、という意味ではない。
症状だけで、その人の身体を決めないということだ。

肩がこっているから肩を揉む。
肩が重いから肩をゆるめる。

それ自体が間違いというわけではない。

でも、身体はそんなに単純ではない。
本人が言った場所だけで、身体が出来ているわけではない。

そこがまた面倒で、同時に面白いところでもある。

 

その方の場合、右肩のこりとして出ていたが、全体を見ていくと右の骨盤まわりに強い偏りがあった。

右の骨盤がうまく働いていない。
右足で支える流れがどこかで詰まり、その負担が上へ上へと上がっているように見えた。

そこで、右肩だけを追いかけるのではなく、右の骨盤を中心に整えていった。

 

次に来られたとき、その方がこう言われた。

『前回は言わなかったんですけど、5年くらい右膝が痛くて、ずっと痛み止めを飲んでいたんです。
それが、右膝が痛くなくなったんです』

右肩こりで来られた方の右膝が変わっていた。

こういうことがある。

 

肩の症状として出ているものが、実は膝や骨盤の影響を受けていることがある。

膝そのものというより、膝をかばうために骨盤の使い方が変わる。
その骨盤の偏りが背骨へ出て、肩や首に負担として現れることがある。

痛い場所と、本当に負担を作っている場所は、必ずしも同じではない。

身体は、帳尻を合わせる。

右膝をかばえば、右の骨盤が変わる。
右の骨盤が変われば、背骨の流れが変わる。
背骨の流れが変われば、肩や首に力が入りやすくなる。

そして本人は、最終的に一番気になる場所を症状として感じる。

今回で言えば、それが右肩だった。

 

痛み止めを長く飲み続けていたという話も、無視できない。

薬が悪いという単純な話ではない。
必要な時もあるし、痛みを抑えなければ生活できない時もある。

ただ、痛みを抑え続けることで、本来なら気づけた身体のサインが見えにくくなることはある。

膝がつらい。
でも薬で痛みが抑えられる。
その間にも、身体は膝をかばい続ける。

そのかばい方が、骨盤に出る。
骨盤から背骨に出る。
背骨から肩に出る。

だから、右肩こりとして来られたとしても、右肩だけを見ていたら届かなかった可能性がある。

 

松江市の桑谷整体では、肩こりを肩だけの問題として見ない。

肩が悪いことはある。
でも、肩だけが悪いとは限らない。

膝、骨盤、背骨、足の支え方、普段のかばい方。
そういうものが積み重なって、最後に肩へ出ていることがある。

だから、症状の場所だけを追いかけすぎると、かえって身体の全体像を見失う。

人間の身体は、部分の寄せ集めではない。
一ヶ所の痛みの裏に、何年も続いていた別の負担が隠れていることがある。

 

今回の右肩こりと右膝の変化は、その典型だったと思う。

肩を整えたというより、右側全体の支え方が変わった。
右の骨盤が変わり、膝にかかっていた負担が抜け、結果として肩のこり方も変わっていく。

身体は、ちゃんとつながっている。

ただ、そのつながりは本人の自覚とは違う場所に出ることがある。

だからこそ、整体では言われた場所だけを見て終わらせないことが大事になる。

症状を見る。
でも、症状だけで見ない。

肩こりには肩こりの顔をして、膝や骨盤の問題が隠れていることもある。

そこを見落とさないように、身体全体を読む。

桑谷整体でやっているのは、そういう整体です。

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