最近、法人関係の手続きで、様々なところへ出向く機会が増えた。
その際に、「整体では腰痛も良くなるんですか?」と質問をいただくことがある。
お寿司屋さんに出向いて、「マグロの握りはありますか?」と聞かれたような感覚だ。
だが、考えてみれば、一般の方には整体が何をするところなのかわからないのだろう。
それはこちら側の、世間に対する提案不足でもあると思っている。
本来は身体のお悩みに向き合う仕事なのだが、実情はそればかりではない。
人生相談を受けることもあれば、体癖という身体のタイプ別占いのような話をしたり、瞑想を勧めたり、ダイエットの相談に乗ったりすることもある。
随分と手広いものだ。
中には、男性としての自信に関する相談を受けることもある。
使う機会があるかどうかは別として、同じ男性としては何とも深刻な問題だ。
野口整体では、背骨の一つひとつに、身体の様々な働きとの関連を見出している。
男性の生殖器についても、腰椎の状態から観ていく考え方がある。
腰椎1番は生殖器の感覚、2番は性的な感覚と感情の結びつき、3番は生殖器の血行、4番は睾丸などの生殖機能と骨盤の開閉、5番は膀胱や尿道の働き。
何とも細かく分かれている。
もちろん、腰椎に男性器のスイッチが5つ並んでいるわけではない。
あくまで、身体を観察し、操法を組み立てるための整体独自の見方である。
男性機能の問題には、血液の巡りも深く関係している。
高血圧そのものが勃起機能に影響することもあれば、降圧薬の種類によっては性機能に影響する場合もある。
つまり、男性器だけを観ていればいいという話でもないのだ。
さて、整体としてはどう観るのか。
例えば、勃起機能について考えるなら、着目したい場所の一つが腰椎3番だ。
野口整体では、体を捻る動きと、生殖器の血行との関連を考える場所である。
その周辺の緊張や弾力、骨盤の状態などを観ながら、身体全体の様子を確認していく。
ただ、腰椎3番を調整すれば勃起機能が改善する、という単純な話ではない。
現場で身体に何が起きているのかを観察しながら、一つひとつ確かめていくしかないのだ。
腰痛はもちろん、肩こりや頭痛といった相談もいただく。
だが、人が身体について抱える悩みは、それだけではない。
中には、家族にもなかなか話せないようなことを打ち明けてくださる方もおられる。
整体という仕事は、思っている以上に、人間の様々な部分に関わっている。